とある学園の雑記

このブログは株式会社トミーウォーカーが運営するPBW、「シルバーレイン」と「エンドブレイカー!」に関する事柄を書いていく予定なので、トミーウォーカーとかPBW、シルバーレインやエンドブレイカー!がどんなゲームなのか分かる人向けのブログ。

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一咲さなSS「花火と火球」

08月22日(土)23時00分
 「えーっと、ハンカチ持っただろ。それからポケットティッシュも。お金も持ったしケータイも持った。あとは……あ、学生証だな」
 銀誓館学園が貸してくれた学生寮の一室で俺は色々と準備をしている。
 いや、大方の準備は前日に済ましていたから、今は改めて確認している所である。
 一体何の準備かと言うと、これから家族や友達と一緒に花火を見に行く為の準備だ。
 よく手紙や電話、Eメールで今日何々があったとか、世間話をよくしていたけど、実際に自分の目で父ちゃん母ちゃんの顔を見たり、自分の耳で兄ちゃん姉ちゃんの声を聞いたり、自分の肌で編入する前に通っていた小学校で一緒だった友達やその家族と握手をしたり抱き合ったりするのは久しぶりになるだろう。
 (「……ああ、また年下好きの女子高生にナデナデされるのか。」)
 地元であった嫌な事を思い出し、ちょっと鳥肌が立った。


 確認し終えたのは、出発予定の一時間前だった。
 「あれからもう一年か」
 俺は窓から夏の太陽でギンギンに照らされている青空を見た。





 8月最後の日曜日。
 この日に行われる地元から一番近いくて規模が大きい花火大会に、俺達は毎年来ていた。
 俺は物心ついた時からこの花火大会が楽しみで仕方なかった。
 運動会や学芸会、クリスマスパーティーに誕生日など、花火大会以外にも一年中あったら嬉しいものはあったから、この花火大会だけが特別な訳じゃない。
 それでも一週間前から楽しみだった。
 去年もそれは変わりなかった。
 そして当日、その花火大会で俺は





 人を殺した。




 あの日の夜、トイレから戻ってこない友達の一人をみんなで探していた。
 花火はもう打ち上げられている中、俺は雑木林で友達を見つけた。
 正確に言うなら、三人の男に何かをされそうな、友達を見つけた。
 俺は反射的に男達に飛びかかった。
 でも、小学生である俺では大人である男達には敵わなかった。
 それでも抵抗しようとしたけど、逆に男達に何かをされそうだった。
 俺は想った。
 友達を見つけた時から想い続けた。
 『助けたい』と。
 その想いが心で一杯になり、一際大きな花火の音が聞こえた時




 いつの間にか、男達の一人が火達磨になっていた。




 残りの男達と友達と俺は一瞬呆然とした。
 だけど、すぐに火達磨となった男が絶叫し、二人の男が我に返り火を消そうとした。
 友達はまだ現状を理解できずに呆然としていた。
 そんな中、俺一人だけ理解できていた。


 オレガヤッタンダ
 オレガアイツヲヤッタンダ


 男に纏っていた火はものの十秒も経たぬうちに消えた。
 残った男達は自然と俺のほうを向いた。
 男達は胸元からナイフを取り出し、俺に向かって走り出した。
 友達が絶叫したが、俺はそれどころではなかった。
 俺の心の中はある感覚とある感情が支配していた。


 命を殺すという感覚
 人を傷つけるという行為への恐怖


 その感覚と感情に支配されていたにもかかわらず、俺の手は自然と男達に掌を見せるように動かしていた。
 俺は願った。


 『頼む、これ以上来ないでくれ!
  このままじゃ、お前達を殺しちゃうんだ!!』


 そんな願いが届くはずもなく、花火が夜空を彩る中、二人の男達も火達磨となった。





 それからはあっという間だった。
 二人の男達の火が消え去った瞬間に花火大会が終わり、まるで見計らったように友達(迷子になっていた友達とは別)のとうちゃんが俺達を見つけ、すぐに警察と救急車を呼んだ。
 現場は警察のおじさん達やお医者さんのお兄さん達で一杯になったけど、何故か野次馬は全然いなかった。
 俺と友達は花火大会の運営テントで家族と再会し、俺と友達は二人仲良く母ちゃん(当然俺と友達のかあちゃんは別々だ)の胸の中で泣いた。
 その間に警察が色々と事情を聞いてたりしてたと思うけど、よく覚えていない。
 ただ、確かに覚えているのは男達が火達磨になった理由がライターの暴発と判断された事、そして男達全員まだ生きているという事だった。
 俺は心の中で安堵し、そのまま眠ってしまった。




 俺は学生寮の一室で鼻水が止まらない程、涙を溢れんばかり泣いている。

 男達を今も目を覚ます事の無い植物状態にさせる意外に友達を助ける方法があったはずなのに、何故それをしなかったか。
 いくら友達を助けるとはいえ、人をあそこまで傷つけておいて、人殺し同然の事をして許されるはずなんか無いとあの時の俺は思っていた。
 だから、誰かが叱ってくれる事を望んだ。
 悪い事をしたんだから叱られるのは当然だと思っていた。
 でも、そんな望みは決して叶う事は無かった。
 父ちゃんも母ちゃんも、兄ちゃんも姉ちゃんも、学校の友達もその家族も、俺を叱ってくれなかった。
 それどころか、危険な男どもから友達を助け出そうとしたヒーローだと称えられ、褒められた。
 誰一人として、俺が男達を火達磨にした犯人だと気がつかなかったのだった。
 今思えば、世界結界が一般人である父ちゃん達や警察のおじさん達の記憶を超常から遠ざけるように記憶を改ざんしていたんだろう。
 それを当然知らなかったあの時の俺は、必死に説明した。
 叱って欲しかった。間違いを正して欲しかった。
 でも、無理だった。
 それ程世界結界の力は強かったからだ。

 それでも必死に説明して、あの一夜から二週間ごろ経った頃父ちゃんが言った。
 「お前は優しいんだなぁ。あんな悪い事をしようとしたあいつらを、自分が横槍したから大火傷を負わせたと思ってるんだなぁ。父ちゃん、その優しさで涙が出ちまうぞ。でもな、父ちゃんはお前の味方や!父ちゃんだけじゃない、母ちゃんも兄ちゃんも姉ちゃんも、学校のダチもその父ちゃん母ちゃんも、みんなお前の味方や!例えお前の言うとおり、お前があいつらを傷つけたとしても、それでもお前を嫌ったりはせん!ずっとお前のそばにいてやるで!!」

 その言葉で俺は悟った。


 ああ、そうか。
 みんな、それが当然なんだ。
 俺を叱るのが間違いで、俺を褒めるのが正しいというのが
 みんなの当然なんだ。


 その日の内に俺は家出した。
 俺の当然とみんなの当然、それがあまりにも違いすぎて、もう一緒に生きていけないと思って、それで家出した。





 俺はまだ学生寮の一室で涙を流していた。
 もうティッシュは新しいのも寮の管理人さんに貰わないといけないくらい使っていた。
 今でも誰かを、何かを傷つけるのは怖い。
 それがもう倒すしかないゴーストだとしても、とても怖いし、実際に傷つけて倒した時のあの感覚は嫌いだ。
 それが来訪者や見えざる狂気に犯された能力者、そして学園黙示録で戦う相手でも、怖くて嫌だ。
 でも、同時に想う。
 誰かが誰かを傷つけるのはさせたくない。
 相手がゴーストでも、見えざる狂気に犯された能力者でも、価値観の違う来訪者だったとしても。
 誰かを傷つけたとわかった時のあの感覚。あれを誰かが感じさせられるのは俺が我慢できない!
 傲慢だというのはわかる。自己満足だというのもわかっている。
 だけど、それでも誰もあの感覚を知って欲しくなんか無い!!
 だから俺は戦う。例えあの感覚に苛まれようとも戦う!
 それが、学園に入った理由。
 それが、イグニッションカードを手にした時に決めた覚悟と意志だから!



 「うおっ、もうこんな時間じゃないか!早く行かないと!」
 出発予定から一、ニ分経っていて俺は焦った。
 涙も鼻水ももう止まっていた。
 俺は日差しが厳しいけど、それが夏らしいと思える外へ向かって飛び出した―――。







あとがき

 どもどもー。一咲さなとその他もろもろの背後である金月水木でーす。
 こんな幼稚なSSに最後まで付き合って下さって、本当にありがとうござます。
 できればもう少しだけ、お付き合いして下さると嬉しゅうございまする。

 さて、今回本格的にさなの過去と想いを書いてみたんですけど、どうでしたでしょうか?
 何分高校の現代文はよく分かってなかったので、上手く過去に何があったのかさえ伝わっているのかすんごく不安です。
 感想は各キャラ達の手紙から募集してますんで、どしどし送ってね!

 えー、それで他にあとがきっぽいことは……。
 わたしの場合、キャラ作成時はまず数値を優先にしてます。
 例えばさなの時はファイアフォックス×牙道忍者を目指していたんで、気魄>神秘>術式の順で能力値が高くなるように作成したのです。
 さなが小学生なのも、神秘を上げたかったからです。
 ですので、まず数値からキャラが生まれ、その時に選んだ生まれや入学理由、学年やスタイルからどんなキャラなのか決めていくのです。
 まあ、当然ある程度イメージはしてあります。
 そうでないと身長や瞳・髪・肌の色、性別や一般技能がめちゃくちゃになっちゃいますからね。
 さなの最初のイメージとしては、「いつもは明るいけど、深いトラウマを抱えている」キャラをしてみたいなーっと思ってました。
 そんでそのトラウマをどうしようかなと思って、「優しすぎるが故に、敵に対しても何かを想ってしまう」という形にして、色々と考えてさなの過去とトラウマを設定しました。
 という訳で、最初にも言いましたが、わたしのキャラ作成はまず数値が一番優先という訳なのです。

 うーん、意外とあとがきも難しいな……。
 まあそんな訳で、最後までお付き合いして下さってありがとうございました!
 次は菜々香が何故吸血鬼になったのか、そんなSSをいつか書きたいと思っていますので、よろしくお願いします!!



 2009年8月22日
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プロフィール

金月水木

Author:金月水木
2007年8月、シルバーレインと出会い、
PBWとTRPGの虜となる。
好きな言葉は燃えと萌え。
大好物は牛乳。

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